エンジニア・プロダクトデザイナー イアン・ショーン
- イアン・ショーンはマサチューセッツ州ボストン在住の28歳のエンジニア・プロダクトデザイナーです。ボストン大学でエンジニアリングとデザインを学び、世界的なデザインコンサルタント会社IDEOでシニアプロダクトデザイナーとして活躍し、IDEO在籍中に自らのブランド、ショーン・デザインをスタートしました。
- エンジニア・プロダクトデザイナーであるイアン・ショーンは「いつも身近にあるものこそ高品質で長く使えるものでなくてはならない」という思いで、2012年にショーン・デザインをスタートしました。
この理念を端的に表現したボールペンコレクションは、アメリカで多くのユーザーに受け入れられました。ボールペン制作を続ける一方で、熱心な時計ファンでもあるイアン・ショーンは5年の歳月をかけて時計制作の準備を進め、2018年ついに念願の時計コレクション「ショーン・オロロジー」を発表します。
ショーン・デザインがボールペンと機械式時計を作る理由
- なぜショーン・デザインはペンと時計を作るのか。一つの理由は、それがプリミティブで生活に不可欠だからです。「書く」ための道具、「時間を知る」ための道具は、時代や文化にかかわらず使われ続けてきました。もう一つの理由は、ボールペンと腕時計はいつも持ち主の身近にあり、長く使われるものだからです。
イアン・ショーンは、自分が作り出すものが長く持ち主に愛されることを願って、ボールペンと腕時計の製作を行っています。
1950年代から60年代にかけて作られた手巻き式ムーブメント
奇跡的な新品状態のムーブメントとの出会い
- 全米の時計コレクターが集うサークルにプライベートで参加していたイアン・ショーンは、ある人物がオールドムーブメントを蒐集しているという噂を耳にします。早速アポイントを取り彼の自宅の倉庫で目にしたのは、まったくの新品状態でETAの納品ボックスに収められた200個の手巻ムーブメントでした。
スイスETA社が制作した小型で丈夫なムーブメント
- 全くの新品で発見されたこのムーブメントは、1950年代から1960年代前半にムーブメント専業メーカーであるETA社が時計ブランドDOXA社のために製造したCal.100 でした。ベースとなったETA900は、衝撃吸収機構を備え、直径23.35ミリ・厚さ3.5ミリと小型でした。頑丈かつ小型のこのムーブメントは1950年代から60年代にかけて多くの時計ブランドに採用されました。DOXA社もこのムーブメントの優れた特性を活かすため、Cal.100 を自社製ダイバーズウォッチに搭載しました。ETA900系のムーブメントを採用した時計は現在もヴィンテージウォッチとして数多く存在し、60年以上を経ても正確に時を刻んでいます。
スイスDOXA社 キャリバー100
手巻き式
製造時期 1950年代~60年代前半
大きさ 直径23.35㎜、厚さ3.5㎜
振動数 毎時18,000振動
石数 17石 完全にレストア・調整され半世紀以上の時を経て産声をあげるムーブメント
- 半世紀以上もの間新品状態のままコレクターによって保管されていたこの優れたムーブメントは、イアン・ショーンと旧知の仲であるボストンの時計職人ニコラス・トラディアスの手によってすべての部品を分解、超音波洗浄、再組み上げされた後、イアン・ショーンが制作した時計ケースに収められ現代に蘇ります。
ニコラス・トラディアスは、1996年に世界最高峰の時計学校の一つスイス・ヌーシャテルのWOSTEP本校を卒業後、ボストンで25年以上にわたってアンティーク時計の修理を手掛ける工房を営んでいます。またAWCI(American Watchmakers - Clockmakers Institute )の永久会員です。 クラシックな雰囲気が漂う直径37㎜の薄型ケース
- ショーン・オロロジーの時計のケースはやや小ぶりな直径37㎜×厚さ9㎜というサイズ。ローターのない手巻き時計ならではの薄さはクラシック時計らしい雰囲気を持ち装着感もよく仕上げられています。またケースは10気圧の防水性能があり、オールドムーブメントを使いながらも十分な実用性を備えています。
ステンレススチールケース製、チタンケース製を各50本生産
- 奇跡的に発掘された200個のDOXAムーブメントのうち100個を使い時計製造を行います。50個は316Lステンレススチール製のケースに、50個は6AL-4Vチタン製のケースに収められます。316Lステンレススチールはステンレススチールの中でも耐腐食性に優れ金属アレルギーも起こしにくい素材です。6AL-4Vチタンはその強度からスペースシャトルなど航空宇宙産業にも用いられています。これらの優れた素材を無垢の状態から一つ一つ削り出してケースが制作されます。
残る100個のムーブメントはアフターケア用のパーツとしてイアン・ショーンの工房にて保管されます。 ケース・文字盤などほぼ全ての部品を手作業で制作
古い旋盤や工具を使った1950年代と同じ手作業の時計作り
- ショーン・オロロジーの時計に使われるケースや文字盤といった部品は、ヴィンテージの工具を使い全てイアン・ショーンの手作業で作られています。
日本の市場で目にするメジャーな時計ブランドのほとんどは、これらの部品(ムーブメントさえも)を最新のCNCマシーンにより効率的に短時間で大量に製造しています。しかし、イアン・ショーンは大量生産され毎年新しいものを発表し消費を煽る高級時計ビジネスを目指していません。
イアン・ショーンは、自分の手で時間をかけて作ったものが、だれかの一生に寄り添って大切に使われていくようなモノづくりをしたいと考えています。
特徴的なランニングインジケーター
- ショーン・オロロジーの時計は秒針のないクラシックなデザインです。その代わりに6時位置の小窓に1分間で1回転するチタン製ディスクを内蔵し時計が動いていることを確認できるようになっています。
この非常に薄いチタン製ディスクは、ダイアル裏面の収納部に寸分の誤差なく収まらなくてはなりません。ディスクにわずかでも歪みがあったり、軸の角度がずれているとダイアルやムーブメント基盤と干渉し正確な回転ができないからです。
この薄い部品を手作業で作ることは非常に難しく、イアン・ショーンのエンジニアリングの手腕が発揮されています。
インデックスカラーのカスタムができるステンレススチール文字盤
- ステンレススチール製のダイアルは1930年代に作られたセクターダイアルを想起させるクラシカルなデザインです。12、3、6、9時位置のアラビアインデックス、分刻みのドットを自分好みの色にカスタムできます。単色のみを選ぶのではなく、インデックスやドットごとに異なる色を使ったマルチカラーも可能です。
- 左からブラック、レッド、ブルー
- 左からグリーン、ライトブルー、オレンジ
- 左からパープル、イエロー、マルチカラー
特殊な化学反応により一つ一つ色を作っていくチタン製ダイアル
- 他の素材にはないチタン製ならではのユニークで美しい発色のダイアルはひとつひとつ手作業で作られています。金属独特の光沢感が生む微妙なグラデーションは、クラシック時計が持つ文字盤の高級感を最新の素材で再現したものです。
- 左からバーガンディ、ワイン、パープルピンク
- 左からブルー、アクア、ソリッドブルー
- 左からグリーン、ターコイズ、イエロー
本サイトにて先行オーダーチケットを販売
- ショーン・オロロジーの一般店舗でのご紹介は2018年秋以降となります。現在ショーン・オロロジーの時計をオーダーできるのはWATCH MAKERSと未来ショッピングのみとなります。
またムーブメント数量が100個に限定されるため、本国アメリカと日本でのオーダー数が100個に達し次第、今回ご紹介する時計の受注は終了となります。 本サイトでのご注文だけの特典付き
- 未来ショッピングまたはWATCH MAKERSにて先行オーダーチケットをご購入いただいたお客様限定で、時計と同素材のショーン・デザイン ボールペンをプレゼントいたします。
時計仕様
- ■ ムーブメント
ETA製 DOXA Cal.100 手巻き式ムーブメント、40時間パワーリザーブ
■ ケース素材
316Lステンレススチール製 又は 6AL-4Vチタン製
■ ケースサイズ
直径37㎜、厚さ 9㎜
■ 風防
サファイアクリスタル
■ 防水
10気圧防水 時計の保証とアフターサービスについて
- ■ 保証について
ご購入の時計はご購入から2年間の保証期間があります。
保証期間内に初期不良があった場合は無償にて修理いたします。
誤った使い方によって生じた不具合、使用による外観の変化は保証対象外となり有償修理いたします。
■ アフターサービスにつきまして
希少なオールドムーブメントを使用しているため、部品交換を伴う修理はアメリカ・ボストンの工房にて行います。
部品交換を伴わない調整などは国内で行います。
■ 分解掃除について
時計の性能を維持するために5年ごとの分解掃除をお勧めしています。
オーバーホール基本料金 45,000円+税
金属の無垢材を削り出して作られた世代を超えて使うことができるペン
「100%メイド・イン・アメリカ」
- ショーン・デザインのボールペンはすべての部品をアメリカ国内で製造しています。
ペン本体はイアン・ショーンの地元ボストンで、金属の無垢材を削り出して作られています。リフィル交換のための真鍮製のネジもボストン市内のネジ工場で作られています。このネジ工場はボストンで最も古い工場の一つです。リフィルはネバダ州で作られるフィッシャー社、パッケージはミシガン州で作られています。
「長く使える」ためのシンプルな堅牢でシンプルなつくり
- ショーン・デザインのペンは金属の無垢材を削り出して作られています。ゴムやプラスチックといった劣化しやすい素材は一切使っていません。また、キャップ式のシンプルな構造のため機械的な故障も起こりません。
耐久性に優れた素材とシンプルな構造によって、物理的な破損や機械的な故障を起こすことがほとんどなく、長く使い続けることができます。 「長く使える」ための高耐久素材を使用
長く使うことで違う表情をみせる金属ならではの経年変化
- ペン本体に使われる金属は仕上げの違いを含め7種類です。それぞれ長く使えるよう、耐久性に優れた素材を厳選しています。
写真左から
■ 6061-T6アルミニウム:自動車や船のフレームにも使われる軽く耐久性に優れた金属です。T6処理により耐腐食性にも優れています。
■ グレード5チタン:軽く耐食性に優れ、金属アレルギーもほとんど生じません。希少なアメリカで採取・精製されたチタンを使用しています。
■ コッパー(銅):人類が最も古くから使っていた金属と言われています。アメリカの1セント硬貨につかわれるなど、現在でもなじみ深い金属です。
■ 316Lステンレススチール:ステンレススチールの中でも耐腐食性に優れています。また比較的金属アレルギーを起こしにくいため、外科用のメスや高級時計にも使われています。
■ ブラス(真鍮):加工性が高く、ステンレススチールが一般的になるまで多くの金物につかわれてきた素材です。
■ DLCステンレススチール:316Lステンレススチールをダイヤモンドと同等の高度を持つ被膜で覆っています。このペンはほとんど傷つきや経年変化がありません。
■ ブラックPVDアルミニウム:6061-T6アルミニウムにPVD加工により色を付けています。表面内部に浸透するように色がつくため、ある程度傷には強いですが、表面被膜より深い傷がつくとアルミの色が出てきます。 - 金属性のボディは長く使ううちに表情を変え、数年後には持ち主の使い方やライフスタイルまで反映した1本へと成長します。
アルミニウムやステンレススチールは、使用によりこすれた箇所が、研磨されたようにつやが出てきます。ブラスとコッパーは表面コーティングをしていないため、使用により酸化被膜に覆われていきます。酸化被膜によって光沢がなくなり、ブラスの黄色味・コッパーの赤味が強くなっていきます。ブラックPVD仕上げのアルミニウムは、他の金属製品などでPVD被膜よりも深く傷になった部分はアルミニウムの色が見えてきます。